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詩 3つ

今日は唯一敬愛の詩人・清水昶さんを偲ぶ会に出席した。
福島泰樹先生の紹介で、
スピーチ用のマイクで無謀にも清水さんの詩「音楽」を激しく朗読した。
だれも清水さんの詩を朗読しないのだ。
声は割れてしまった。しかし多くの方が黙って聞いてくれた。
詩人では清水哲男さんがいた、吉増剛造さん、高橋睦郎さん、荒川洋治さん、佐々木幹郎さん、中上哲夫さんなどがいた。ほか沢山いましたがウイスキー10杯以上飲んだので忘れた。

以下、本日の作品。書きまくれ! とある詩友に言った言葉に応える。

 

 生きとし者へ
          葛原りょう

同じ階段は一つとしてない
けれど同じ山の頂は見えてくる
たとえば夕暮れ
一同に肩を並べ
ああ と一息呑むとき
ある者は別の過去を考え
ある者は別の明日を夢見るように
ひとつの山の頂に縛られているとき
わたしは黙って手を振っている

ある者のこだまは「さようなら! さようなら…さようなら…」
ある者のこだまは「また来るよ! また来るよ…また来るよ…」

きみよ
きざはしには無数の石くれがある
その石くれにしゃがむのも良し
だが見失ってはいけないものもある
きみがきみを見失わないように
様々な石くれがあるのだということを

それを蹴飛ばせ
それを踏みつけ
それを眺めて
それをやり過ごせ

生きることは無数の見落としだ

きみよ
まだ未来は残っているか
地球はまだ青いまんまか
わたしは知らない

今日のことは今日中に忘れてしまえ
明日は明日で忙しい
今日は今日で忙しいように

そして、
グッド・バイ
あらゆる出逢いに
グッド・バイだ
だ!!

 

 包 丁
        葛原りょう

あしたの包丁を研ぐ
よく切れるように

しゃあっとよく滑る研ぎ石に
ぼくのデコボコがまっすぐに輝く

調理場に立つと
客からは見えない
そこで
ぼくはグリム童話の魔女になっている
かもしれないね

スパイスは怒り
どんなに辛くても辛くなれない怒り

包丁が握られている
調理場から一歩出れば
手錠足錠の包丁だ

ぼくは何気ない顔をしている
死んだ魚の目のコックだ

閉店して
また包丁を磨いで
開店して
包丁を握る

 

 穴だらけの砲身
            葛原りょう

緑が私を食べる
六月の雨が私を食べる

穴だらけになった身体は
言葉がうつろに漏れてゆく

だだ だだったらしい だだ
 だでるらん だでらりら だだ

皿は割れた
 読書ランプが燈った
机が軋んだ
 私は旋回運動をしている

思うことは走ることだ
トップランナーのように
うつくしくスタートラインにしゃがんでいる

緑が私を追いかける
六月の雨が狙っている

私は凶器のように走る
 やぶれている帽子が嵐に舞った

だだ だでるでだっと だだ
  だだ だでろりらるらん だだ

明日は良いことがあるような気がする

復活のカチューシャはどこ?
  あの斜視のみにくいカチューシャはどこ?
それでいて美しい

魂の弾を籠めて
 きみにまっすぐに撃ち込まれたいのだ

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