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最近の読書

夢枕獏 神々の山嶽(いただき)

エベレスト無酸素単独南西壁登頂、
それは現在もまだ誰もなしえない偉業を
ある日本人が挑む壮烈な一大叙事詩。
最近は夢枕獏だけ読んでいる。
電車の中、束の間、眠る前に。

昔、
登校拒否をしながら、
それでも学校へ行っていたのだが、
そこで一人で
新田次郎の山岳小説ばかり読んでいた頃を
思い出した。
「聖職の碑」「孤高の人」「強力伝」など、
植村直巳の伝記も読んだ。「マッキンリーに消ゆ」

そこに山があるから、
私にとっても、
そこに詩があるから、だ。

彼ら山に全てを賭ける人間を
世間は脱落した者と認識するが、
何万篇と詩に憑かれた私も
そういう類いなのだろう。
読めば読むほど、
前のめりになる自分が見える。
ここにも俺がいたか、
と夢枕獏の小説を読み耽る。
「上弦の月を食べる獅子」「風果つる街」「瑠璃の方舟」……

さあて、
俺もこれからなんだ、
まだやれるんだ、と力をくれる。
まだ未踏の未到の詩があるから、
これからも手足がなければ歯で、
歯もなくなれば眼で、
眼で歩いてゆこうと思う。

K

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